はじめに|UL登山×ガレージブランドの魅力

近年の登山トレンドの中でも、特に注目を集めているのが「UL(ウルトラライト)スタイル」。荷物を極限まで軽くすることで、より自由で快適な山行を目指すこのスタイルに、共鳴するように個性豊かなガレージブランドが台頭しています。
ULスタイルの最大の魅力は、物理的な「軽さ」に加えて、装備選びそのものを通じて得られる「考える楽しさ」と「山との向き合い方の変化」にあります。そして、それを体現するのが今回紹介するようなガレージブランドたち。彼らはマスプロダクトでは実現し得ない、使い手との対話を重ねながら進化し続けるプロダクトを世に送り出しています。
大手メーカーとは一線を画すガレージブランドは、小規模なチームや個人によって生み出されることが多く、独自の哲学と美学、そして軽量性を追求したギアが魅力。その背景には、山でのリアルな経験や実験的な設計思想があり、製品ひとつひとつに物語があります。
今回は、そんなUL登山の世界で今注目すべきガレージブランドを5つ厳選してご紹介します。初心者からベテランまで、すべての登山者に刺さるブランドばかりです。
1. atelierBluebottle(日本)

https://www.atelierbluebottle.com
- 代表アイテム:Hiker’s Jacket、PACシリーズ
- 特徴:街でも映えるミニマルデザイン。必要最低限で設計された機能美が魅力。素材選定から縫製まで丁寧に作り込まれており、着心地や耐久性の評価も高い。ULハイカーだけでなく、ミニマル志向の街着としても注目されています。
- 購入方法:オンラインストアでの予約販売が中心。販売スケジュールに注意。

2. CAYL(韓国)

- 代表アイテム:MARI、WAYポーチ
- 特徴:韓国発のストリート×ULスタイル。UL的な機能性と都市的なセンスを融合したデザインが特徴的。ナイロンリップやX-Pacなどの最新素材を積極的に取り入れつつ、ルックブックやビジュアルもハイセンス。アジア圏のULシーンを牽引する存在です。
- 購入方法:国内セレクトショップ、もしくは公式通販(韓国)から購入可能。

3. 山と道(日本)

- 代表アイテム:MINI 2、DW 5-Pocket Shorts
- 特徴:UL文化のパイオニア的存在。創業者自身が歩いた経験をもとに設計されたアイテムは、機能的で軽く、実用性が高い。日本の気候や山岳地形にマッチする作りも大きな強み。登山にとどまらず、トレイルランナーやキャンパーにも支持されています。
- 購入方法:オンライン抽選、または販売スケジュールに合わせて購入。
4. Zpacks(アメリカ)

- 代表アイテム:Nero Ultra 38、Duplex Tent
- 特徴:DCF(キューベンファイバー)素材を積極採用する軽量化の象徴的ブランド。アメリカのロングトレイル文化と共に育まれており、PCTやATを歩くハイカーの定番ギアでもあります。耐候性・軽量性に優れ、ULを突き詰めたい人には最適。
- 購入方法:公式通販(英語)。関税・送料に注意。
5. RIDGE MOUNTAIN GEAR(日本)

https://www.ridge-mountaingear.com
- 代表アイテム:One Mile、Everyday Tote
- 特徴:登山と日常の境界を取り払うような道具作り。ULギアとしての軽さと実用性を兼ねつつ、デザイン性の高さが際立っています。ブランド名の通り“稜線と街”をつなぐスタイルは、普段使いから山行まで幅広い層に支持されています。
- 購入方法:オンライン直販が中心。定期的にPOPUPイベントも開催。
購入時の注意点
- 海外ブランドは、関税・送料が高額になる場合があるため、事前にコストを確認しましょう。
- 人気ブランドはすぐに売り切れることが多く、抽選販売や事前予約が必要なケースも。
- メルカリ等で転売されている商品は価格が高騰しているため、できる限り正規ルートでの購入をおすすめします。
また、ブランドによっては生産数が非常に限られているため、SNSやメールマガジンで最新情報をキャッチするのが重要です。特にatelierBluebottleや山と道は、リリースのたびに即完売ということも珍しくありません。
まとめ|ULギアに宿る哲学と体験
「軽い・快適・美しい」──この3つを両立したギアは、ただの道具以上の存在です。背負った瞬間、袖を通した瞬間に、そのブランドが掲げる哲学や美意識が伝わってくるはずです。
UL登山は“モノを減らす”ことが目的ではなく、“より良く山を楽しむ”ための選択肢のひとつ。自分に合ったギアを選び、その背景や思想に触れることで、山との距離がもっと近く、深くなるかもしれません。
まずは国内のブランドから始めて、使い心地を体験してみてください。きっと、あなたの山行に新しい価値観とワクワクが生まれるはずです。
個人的にはatelierBluebottleが最高におすすめ。
次回は「ガレージブランド製ギアだけで一泊二日登山できるか?」に挑戦するかもしれません。