
はじめに|登山では「小物」が命を守ることも
登山の装備といえば靴やバックパック、レインウェアといった大物ギアが注目されがちです。しかし実際に山を歩くと「この小物があって助かった!」という経験をする登山者が非常に多いのをご存知ですか?
特に登山初心者はトラブル対応力が低くなりがち。天候の急変、疲労、道迷い…そんなときに軽くてかさばらない“お守りアイテム”を持っているかどうかが安心感を大きく左右します。
今回は、**登山初心者〜ベテランまでおすすめできる「持っててよかった意外な小物7選」**を詳しく紹介。UL(ウルトラライト)ギアも交えながら、実用的で信頼できるアイテムをピックアップしました。
1. コンビニ袋(数枚)

登山初心者がまず取り入れやすいのがコンビニ袋。軽量でかさばらず、山では万能に使えます。
- ゴミを持ち帰る用として必須
- ザック内で濡れた衣類やタオルを隔離
- スマホや地図の防水カバー代わり
- 急な雨で靴が濡れそうなときカバーとして使える
最近は破れにくい厚手タイプのエコバッグ兼用袋もあるので、1〜2枚忍ばせておくとさらに安心です。
2. ミニジップロック

ジップロックは登山者の必需品と言えるほど便利。防水性と整理のしやすさでコンビニ袋を上回ります。
- 行動食やナッツ類の小分け
- 濡らしたくない地図・薬・電池の収納
- スマホやGoProバッテリーの防水カバー
耐久性のある厚手タイプを選べば繰り返し使えます。Ziploc スライダーバッグ Mサイズはファスナー付きで開閉しやすく、初心者でも扱いやすいのでおすすめ。
3. カラビナ(軽量タイプ)
カラビナはただのアクセサリーではありません。登山中の作業効率を格段に高めるギアです。
- 濡れた靴やタオルをザック外に吊るして乾かす
- サコッシュやボトルを簡易固定
- テント泊ではギアハンガーとしても使える
軽量化を意識するなら**Black Diamond「ライトウェイトカラビナ」やGRIVEL「K1N」**がおすすめ。荷重のかかる登攀用ではなく、ギア用の小型カラビナを1〜2個持つだけで安心感が増します。
4. エマージェンシーブランケット(サバイバルシート)

低体温症のリスクがある山では、超軽量のサバイバルシートが命を守ることもあります。
- ビバーク(緊急野営)時の体温維持
- 休憩中の冷え対策
- グラウンドシート代わりに使用
わずか数十グラムなので、ザックの底に常備しましょう。
**SOL「エマージェンシーブランケット」やモンベル「アルミブランケット」はコンパクトで高評価。
上の写真は筆者が実際に山で使用したもの。
真夏のゲリラ雷雲が迫り来る夕刻、1つ先の避難小屋で雨を凌ごうと目指して歩き進めた結果、身動きが取れなくなった時に使用したもの。
1つの判断が命取り、夏でも雨の夕刻は寒くなるものだと身をもって感じた瞬間でした。
5. 替えの靴下
「靴下が濡れて冷える」ことほどストレスなものはありません。替えの1足があるだけで、行動中もテン泊中も快適さが全く違います。
- 綿ではなくウールや化繊混紡素材を選ぶと乾きやすい
- 圧縮袋に入れるとザック内がかさばらない
DARN TOUGH(ダーンタフ)やスマートウールのハイキングモデルは耐久性が高く、登山者からの信頼が厚いです。
6. ヘッドライト+予備電池 or モバイルバッテリー

山では日没後の行動=命に関わる危険。必ずヘッドライトを持ちましょう。
- レッドレンザー「MH5」「NEO5R」:軽量・明るい・充電式でコスパ◎
- UL派ならNITECORE「NU25 UL」:わずか45gの超軽量モデル
さらに、5000mAhクラスの小型モバイルバッテリーをセットで持てば万全です。
最近はUSB-C対応で充電が早いモデルも多いので、登山前にしっかり充電しておきましょう。
私はレッドレンザーのMH5を使用しています。十分過ぎる光量に加え充電式の本体(厳密に言うと充電式の電池が入っていて、本体経由で充電ができ、取り外しが可能)ですが、充電切れの際に市販の単三電池に入れて使用できるという優れ物です。充電式なのに使い捨ての電池が入るフレキシブル性が最高に良いです。
7. 小型ホイッスル

遭難や滑落時、声よりも遠くまで響くホイッスルは命を守るアイテム。
- ザックのチェストベルトに内蔵されているモデルが多いのでチェック
- 単体で持つなら防水仕様の軽量モデルがおすすめ
「音を3回吹く=SOS」というルールを覚えておきましょう。
UL系ザックならCAYL「MARI」や山と道 MINI2など、ホイッスル内蔵のチェストベルトを採用しているモデルもあります。
写真のホイッスルはVARGO 【バーゴ 】のチタニウムホイッスル(クリップタイプ)
チタン製で軽く丈夫なだけでなく、プラスチック製のホイッスルと比べ圧倒的にかっこよくないですか。(個人の感想です)
プラスαで持っていくと安心なもの
- 絆創膏や鎮痛剤などの簡易救急セット
- 吸水力の高い軽量タオルやバンダナ
- 夏山でも冷える稜線では使い捨てカイロ
これらも軽量でかさばらないので、初心者でも取り入れやすいです。
まとめ|小物を侮るなかれ!安心感が段違い
今回紹介した7つの小物はどれも軽量・コンパクトで初心者でも手軽に取り入れられるのに、いざというときの頼りになるアイテムばかり。
特に
- ホイッスル内蔵のチェストベルト
- 軽量ヘッドライト(レッドレンザーやNITECORE)
- サバイバルシート
は命を守る装備と言っても過言ではありません。
「荷物が増えるのはちょっと…」と思うかもしれませんが、これらをザックに忍ばせておくだけで不安が減り、山をもっと楽しめます。
次の登山からぜひ、自分なりの“お守りアイテム” を見つけて追加してみてください!
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