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【初心者必見】これだけは守りたい!UL(ウルトラライト)登山の基本ルールと安全のための心得

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最近、「登山ブーム」というよりも、もっとピンポイントで「UL(ウルトラライト)ブーム」が来てるなと感じる。

これまでは、熱狂的なハイカーたちやガレージブランドが中心となって、限られたコミュニティの中で盛り上がっていた印象のあるULカルチャー。もちろん、自分もその中にいたという自覚がある。

けれど最近は、「山と道」などをはじめとしたブランドの存在もあって、じわじわと一般の登山者にもその価値観が浸透してきた気がする。

「軽い装備で、もっと快適に山を歩く」。

この考え方はとても理にかなっているし、山との向き合い方としても素敵だと思う。ただ、その一方で、「軽ければいい」というわけではない。極端に言えば、判断を誤ると命の危険につながることもある。

情報が今ほど多くなかった時代、自分なりに試行錯誤を繰り返して、少しずつ装備や知識を整えてきた。

この記事では、そんなこれまでの経験を振り返りながら、改めて自分自身の山装備や考え方を見直してみようと思う。

UL(ウルトラライト)登山とは

荷物の軽量化を進めることで快適な登山スタイルを実現する方法ですが、その反面「軽さ」だけを追い求めると危険を伴います。特に初心者やこれからUL登山を始めようとする方にとっては、軽量化と安全のバランスをしっかり理解することが何よりも大切です。この記事では、失敗しないUL登山の基本ルールと安全確保のための具体的な心得をわかりやすく解説します。

ギア(テン泊想定だけど)


1. 必ず「3つの重さ」を把握する

重さ内容目安
ベースウェイト水・食料・燃料除く全装備5〜7kg
パックウェイト全荷物(食料・水込み)8〜12kg
総重量(スタート時)水満タン・食料フル装備最大15kg以下推奨

✔ 初心者は無理に“3kg”を目指す必要なし。まずは5〜7kgを目安に。
✔ 軽さよりも安全・防寒・水分確保が最優先。
✔ 軽くするために必要な技術や経験が伴わない場合は、必ず予備装備を携行する。


2. レイヤリング(衣類)は妥協しない

  • 必携:レインウェア上下、防寒着(ULダウン)、メリノウールインナー
  • 夏山でも夜間5〜10℃以下を想定
  • 防寒ダウンは250g以上が安心

「ULだからダウン不要」は大きな誤り。特に標高の高い場所や天候が崩れた際には、低体温症のリスクが急増します。UL登山においても防寒着と雨具の2点は削らないのが基本中の基本です。


3. 充分な水と浄水器を持つ

  • 標高・天候次第で「水場無し」のケースも想定
  • 500ml×2本+浄水器がUL登山の基本スタイル
  • ソーヤーミニやBeFreeが軽量浄水器の代表格

水不足→脱水→行動不能→遭難はUL登山でもっとも起きやすい失敗パターン。軽量化のために水を削るのは絶対NG。水場情報も事前チェックが必須です。


4. 緊急時通信手段を確保

  • スマホ圏外を常に想定
  • Garmin inReach Mini等、衛星通信デバイス推奨
  • 単独行なら必携と考えるべき

UL登山は「単独」が増えるため通信手段の確保は命に直結します。特に初心者は最初から通信デバイスの装備を検討しましょう。


5. 行動計画は「ゆとり行程+撤退判断」

  • 「行ける」ではなく「戻れる」で計画を立てる
  • コースタイム80%以内で行程設定
  • 日帰り〜1泊の短期山行からスタートする

無理な行程+軽装=遭難リスク急増。UL登山こそ“撤退判断”を常に意識する必要があります。体力・天候・時間、すべて余裕が基本。


6. 必須の応急・安全装備

アイテム理由
ファーストエイド捻挫・擦り傷・低体温対策
エマージェンシーシート急な停滞・ビバーク用
ヘッドライト早朝・夕方・緊急下山用
ホイッスル転倒・道迷い時の通報用

これらのアイテムは全て軽量化の対象外。UL登山であっても絶対に省いてはいけない「命を守る道具」です。


【重要】UL登山で絶対やってはいけないNG行動

❌ レインウェア・防寒着を削る
❌ 食料・水の予備を持たない
❌ 1泊以上の山行でタープ泊未経験
❌ 初心者単独ULデビュー

これらは全て、実際に事故や遭難につながった要因です。


▶ UL登山スタートのおすすめプラン

  • 日帰り or 低山1泊から始める
  • まずはフル装備で「何が要らないか」を把握
  • 軽量化は2回目以降に少しずつ

経験と技術が付いてくれば装備を減らしても安全を保てるようになります。


✅ UL登山初心者が守るべき5ヶ条

  1. 天気・気温・水場情報を事前収集
  2. 防寒・レイン・水・応急装備は絶対に削らない
  3. 計画は「最悪パターン」で立てる
  4. 単独ULは日帰り or 低山で経験を積む
  5. 撤退判断は「行ける」ではなく「帰れる」で行う

UL登山は“軽さ”と“安全”のバランスが命

UL登山で最も大事なのは「軽さ < 安全・安心」。
軽量化は経験・技術・知識が伴ってこそ成立します。初心者のうちは特に『減らしすぎない勇気』が重要です。焦らず「まずは通常装備で経験→少しずつ軽量化」がおすすめ。安全で楽しいUL登山をぜひ心がけましょう。


安全>軽さ

軽さは「経験・技術」が伴って初めて可能です。不安がある場合は通常の登山装備からスタートし、慣れと共に徐々にUL化するのが正解。


【終わりに】

最近、UL(ウルトラライト)登山がブームになってきている。
軽い装備で快適に歩く、という価値観が広がるのはとても良いこと。だけどその軽さは、“安全”や“経験”の土台があってこそ成り立つものだ。

今回紹介したように、軽量化のテクニックにはルールがあり、絶対に削ってはいけない装備がある。
それを知らずにいきなり真似をすれば、山では簡単に危険と隣り合わせになる。

だからこそ、まずは自分の山のスタイルを見直しながら、「安全」と「軽さ」のバランスをしっかり取っていくことが大切だ。
焦らなくていい。最初はちょっと重たくてもいい。

経験を積み、山に慣れ、装備を試して、少しずつ“自分にとっての最適なUL”を見つけていこう。

軽さは目的じゃない。快適に、安全に、山を楽しむための手段なんだから。

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