ツンと鼻を刺す澄んだ空気の中での冬キャンプは、キャンプシーズンの中で最も楽しい季節のひとつ。
冬空の下、「寒い寒い〜」なんて言いながら焚き火で暖をとって、温かい飲み物を飲む。いいですよね。
そんな冬キャンプの最大の良さであり難点は、野外で寒さと共存すること、凌ぐこと。
故に冬季のキャンプは、他3シーズンとは違い上級者向けなイメージで、初心者には難しく考えられがちです。
私も長いこと3シーズンキャンパーであり、冬キャンプに憧れと不安を抱いていたいました。
冬キャンプのギアはその他3シーズンで使ってきた各ギアと区分けされている物が多く存在し、その中でも特に、寝袋やテントなどの寝具周りの物が多いです。そしてそのギア一つ一つが高価です。
今回は、そんな購入に失敗したくない冬季の寝具周りの事情について。
まずは今回のキャンプスタイルと実地環境を。
私はザック一つでキャンプを行う言わば「徒歩キャンパー」なので携行品はUL(ウルトラライト)系が多め=「登山への流用が前提で使用しているキャンプギア」と言うことになります。
ガッツリ車でキャンプ時の就寝ギアはまた違ってくるので、それは春のキャンプシーズン後にでも紹介しますね。(たぶん)
その前に無雪期・3シーズンのテント泊記録を
環境
2021/01/02~03 千葉県の平地
幕営地:昭和の森キャンプ場(ひだまり区画)
天気:晴れ
気温:最高気温7度、最低気温0度(前日予報より抜粋)
今回は関東平野の中でも特に暖かい千葉県の中腹に位置するキャンプ場で年始のキャンプを行ってきた時のこと。
このような環境下で使ったギアと、使用感、寒さに対する就寝の感覚などを忘れぬように。
こちら、あくまで個人差があることをご了承ください。
寝具の紹介
- シュラフ
- シュラフカバー
- マット
- テント
冬キャンプに最低限必要なこの4点
- シュラフ:NANGA 「ダウンバッグ 370STD」
安心安定のJAPANブランド NANGA
NANGA
まずは寝袋、こちらはNANGAの「ダウンバッグ 370STD」を使用。
生地 | 20dnナイロンタフタシレ撥水加工 |
構造 | シングルキルト構造 |
羽毛 | STD(ホワイトダックダウン80~20%) |
羽毛量 | 370g |
フィルパワー | 650FP |
サイズ | 最大長210cm×最大肩幅80cm |
収納サイズ | 約直径18×長さ29cm |
快適使用温度/使用可能限界温度 | -3℃~-8℃ |
重量 | 約700g |
リミットは-3℃、エクストリームが-8℃ 俗に言うスタンダードな耐寒スペックとなります。恐らく雪山などでの使用は難しい。さらに防寒性能に優れるUDDやAuroraなどのモデルも気になったんですけどね。最低限のスペックは詰まっている点、初めてのNANGAということもあり様子見の「ダウンバッグ」、かれこれ1年以上これで快適に過ごせちゃっていて、よりハイスペックなシュラフ追加購入は見送り中。。。
こちらは廃盤モデルになるので、在庫を探せば通常より安く手に入りますよ。
- シュラフカバー:エスケープヴィヴィ
1973年創業と、アウトドア業界の中で歴史が長い「SOL(Survive Outdoors Longer)」アメリカのエマージェンシーブランド。
シュラフカバーとしてSOLのエスケープヴィヴィを使用。類似の中華製エマージェンシーカバーも多々あったが、多方面での不安が隠せず安定のSOL製品を。
本来はエマージェンシー時に使うべきなのかな?UL系ハイカーさんのブログなどを読み漁っていると夏場は寝袋もなくこれだけでシノギングしている猛者もちらほら。
ライト・ベーシック・プロと3モデルあるが、ベーシックをチョイス。
- NEMO Ora20s
インフレータブルマットはNEMO Oraシリーズのハーフタイプを使用。
本体重量 | 340g |
収納サイズ | φ10.5×18cm |
素材 | 30Dポリエステル(トップ)/75Dポリエステル(ボトム) |
厚さ | 2.5cm |
ULシーンの先端を突き進むアメリカ山岳ブランドNEMOのものを。
こちらのマット、NEMOがコンパクトに収納することに全振りし突き詰めたもので、マット自体の長さが腰の部分までしかありません。その下の部分はどうするのかというと、ザックや靴などを置きその上に足を置くことで地面に触れないようにする。など工夫が必要な商品。
必要最低限以外を削ぎ落とし、ストイックに就寝へ向かう山岳用のマット。
その分軽くコンパクトであり、UL(ウルトラライト)な商品であり。
テント
- ネイチャーハイク
こいつがまたいいんです。
これに関しては割愛。
各ギア使用時の注意点と選んだ理由
- シュラフ
シュラフは正直NANGAとmont-bellでめちゃくちゃ悩みました。
NANGAはダウンを専門に取り扱う安心のブランドであり、羽毛の永久保証がついていること。モデルを選べばシュラフカバーを省ける防水モデルも有り
mont-bellは大手山岳メーカーで日本メーカーの安心感、店舗数も多いので故障時の駆け込みもしやすい。ダウンにはストレッチ性がある。
迷った挙句、”羽毛の永久保証が一先ず1本欲しい”ということでNANGAをチョイス。
注意点を挙げるとするならば、シュラフ自体にダウンが大量に詰まっているとは言えない仕様なので背面のダウンが潰れて底冷えが伝わる可能性がある点。これはスリーピングパッド、マットでカバーすることで問題解消できる。
あとは冬の結露対策としてシュラフカバーがあった方が安心。
- シュラフカバー
シュラフカバーはULスタイルでやっている登山への流用も考慮してエスケープヴィヴィ一択。
エマージェンシーとしても使えるので防寒性能を数度upできるかも?という点、完全な防水性能ほどではないが、防水性有り、少なからずの透湿性も持ち合わせているので、天面から垂れてくる結露は防げる、その他のシュラフカバーと比べコンパクトで軽い。
そして周りの山仲間たち複数名が使っていて、こぞってオススメしてくる点。
注意点は、サイズ展開がない点、伸縮性が無いということをお忘れなく。体が大きい人や中にスリーピングパッドを入れる場合は窮屈になる場合も。
- マット
インフレータブルマットはNEMOのORA20s、これは登山への流用も兼ねて軽いものを中心に調べたところ、NEMOのZORが軽量でコンパクトであることを知る。⇨さらに調べていくとORA Mの方が寝心地が良い、と。⇨ハーフサイズがあるじゃないか!
といった形でたどり着いた安心の山岳ブランドNEMOのハーフサイズスリーピングパッド。
ボトムに耐久性に優れる75D、トップに軽量な30Dポリエステルを採用することで丈夫でかつ軽量なパッドが欲しいという要求に高いレベルで応えるスリーピングパッド。
https://www.iwatani-primus.co.jp/products/Nemo/pads/or-sm/index.html
注意点
これに関しては、ハーフサイズなので足元の防寒を工夫する必要がある。ハイカーはザックや靴などを置いて、その上に足を置き地面から離すスタイルが一般的だが、キャンプでの使用であれば他にも色々と工夫が思いつく。問題はない。
就寝の結果
このスペックギア、この環境下で使用したところ、一度も起きずにぐっすりと熟睡できた。冬キャンプと言っても比較的寒くない地域での結果なので参考になるか分かりませんが。。。
ちなみに就寝時の服装は、
上半身
- mont-bell:メリノウールインナー(中厚手)
- アトリエブルーボトル:Hiker’s jacke
- snowpeak:インサレーションカーディガン(AWタイプ)
下半身
- UNIQLO:ヒートテック
- アトリエブルーボトル:Hiker’s Pants
割と就寝ストレスのない、薄くて伸縮性のある服装で望んだが問題なし。
ダウンパンツやダウンソックスなど更に温かい服装で就寝すれば、もう少し寒い環境、氷点下環境でも快適に就寝できる気がする。
※ダウンシュラフinダウンの科学的効果は知らない。
まだまだ可能性のある寝具たちだと感じ、更に愛用していこうと思う。